スウェーデンで次女誕生 ~ 産後ケア・入院編~ |
前編はこちら → スウェーデンで次女誕生 ~ 出産編~
さて、産後処置を終えた後、どのように過ごしたのかをお伝えします。
◆分娩室で過ごす
カンガルーケアをしながら、2時間ほど分娩室で過ごしました。
今回は出血も多くなく、産後すぐに起き上がることができました。
看護師さんが「お腹減ってない?サンドイッチあるわよ。飲み物は?」と聞いてきました。
お産でのどがカラカラだったので、お水をくれと言ったら、
「え?コーヒーいらないの?本当に?」
みたいに聞いてきて、コーヒーが大好きな国民性なのか、カフェインとか気にしないんだな~と思いました。日本じゃ考えられないやりとりでした。
サンドイッチ自体はハムとチーズなのですが、テーブルセットを豪華にして頂き、これがスウェーデン流のお祝い膳のようでした。
産後の処置が終わってからは、長女もすぐに入室でき、少しもじもじしながら、近寄ってきて、妹とのご対面が叶いました。
さらにお隣さんご夫婦が病院に到着したようで、私たちの許可があれば、親族以外もこの分娩室に入室可能でした。
◆病室へ移動
2時間ほど体を休め、特に母体に問題がなければ病室へ移動となります。
病室は隣の棟の3階にあり、
そこまでの移動は徒歩もしくは車椅子でした。
どちらがいいか、ここでも希望を聞かれ、もちろん車椅子を選択。
看護師さんに押してもらい病室まで行き、病室担当の助産師さんとバトンタッチ。
簡単に設備の説明を受け、あとはお決まりの
「何かあったら連絡して」
と言って去って行かれました。
病室にはベッドが2つあり、夫婦(カップル)で泊まれるようになっていますが、子どもは宿泊不可です。
病院のホームページでパートナーの宿泊費について触れられているだけだったので、てっきり、産婦は無料かと思いきや、後日請求書が自宅に届きました。
お値段 1泊100kr(約1400円)
ちなみに、宿泊中の食事は、昼食、夕食は病院にオーダーできます。
4~5種類のメニューの中から選ぶことになります。係の人が病室まで注文を取りにきてくれます。但し、日本の病院のようにお盆に乗せられて病室まで持ってきてくれることはなく、フロアにある共有の冷蔵庫に勝手に取りに行くというものです。
出産した日は、時間が遅かったからなのか、誰も来ず、病院内にあるコンビニのお弁当を食べることになりました。
しかも、売られているお惣菜的なものは、カルボナーラ、ラザニアとコテコテのもの。
朝食はパン、ヨーグルト、フルーツが共有スペースに置いてあり勝手に取って食べるというスタイルです。
飲み物もコーヒー、紅茶、牛乳、ジュースがありました。
このサービスは24時間なので、夜中お腹が空いたら勝手に食べられます。
食事の管理をされる日本の病院とは大違いです。母乳を推進している国のようですが、食事に関しての指導はないようです。
◆退院までの過ごし方
夫と長女が20時頃に帰宅したので、私は次女とともに就寝。
久々に長女のハイパーハイテンションから解放されてかなり休めた気分になります。
次女はおとなし~く寝ている子で、起きたら起きたでしっかり母乳も飲むので、私はかなり楽でした。
夜は22時に夜勤の助産師さんが挨拶に来だけで、あとは完全に次女と私の2人の時間でした。
というのも、長女の時は2時間おきくらいに助産師さんが様子を見に来てくれて、あまり寝られなかった記憶があります。
これは母乳育児の指導の一環と産後の母親のケアの意味があるのだと思いますが、正直なところ、寝かせてくれ~と思うことも多々ありました。
その点、スウェーデンの病院は何て自由なんだ‼︎
翌日、夫は長女をFörskolaへ連れて行ってから病院に到着。
特にすることもなく、おしゃべりをして過ごしていました。
産後の経過が良いとこんなにも病院ですることがないのか、思いました。
◆出産の翌日に退院⁉︎
イギリスのキャサリン妃が、出産翌日に退院、しかもヘアメイクばっちりの映像を記憶されている方も大勢いらっしゃるかと思います。
当時、あれはうそじゃないか⁉︎と思っていました。産後すぐにあんな元気に動けないのに、何故イギリスでは翌日退院なのか疑問でした。
私の病院では、絶対に一泊しかできないというわけではありません。
どうするかは、私たち次第です。
助産師さんに聞いても、経産婦はだいたい翌日に退院しているとのことでした。
当初、二泊を考えていたのですが、母子ともに問題がなければ、病院にいても自宅に戻っても同じだと思いました。
長女もいつママは帰ってくるのか、と言っていたし、一泊で帰宅することに決めました。
長女のお迎えもあるので、12時頃には退院したかったのですが、何と次女の黄疸の有無の検査が産後ケア24時間を経過しないとできないということで、14時までいることに…。
その検査もクリアし、退院後の説明を受けている中で、新生児に血液検査を行うので2日後にまた病院に来るように言われました。
さらに聴覚の検査もあるので、それは後日日付を知らせる手紙を送るから、とのこと。
新生児を抱えて、そう頻繁に外出したくないのになぁ~と思いつつ、病院を去りました。
そして血液検査の日。
検査とともに体重測定を行うと、出産時から減り過ぎているということで、要指導になりました。
とにかく母乳を飲ませる回数を増やすことと、搾乳した母乳かもしくは液体ミルクを追加しなさいと言われました。
そして、翌日もう一度来い、と……。
◆スウェーデンでの出産を経験して
日本は通常の分娩で4泊5日の入院が一般的だと思います。その間、母乳指導をかなりしつこくされるし、体重のチェックも厳しかったです。沐浴指導もあれば、三食全てカロリー計算された母乳に良い食事ばかり。
さらにこの5日と設定されているのは、産後の母体の休息とともに、新生児の諸々の検査をするためだと思います。
てんこ盛りでありがたい反面、少しナーバスになることもありました。
それと比較的するとスウェーデンは自由です。
なんて楽なんだ‼︎と喜んでいたものの、体重の減り方を指摘されて、目が覚めました。
病院側からとやかく言われない分、保護者である私たちが責任を持って次女の体重をはじめとする体の異常を管理しないといけなかったのです。
病院から何も言われなかったから、気にしてなかった…は通用しないのです。
「自由とは個人の責任もそれに比例する」
のだと実感しました。
日本で経験した少しおせっかいな指導は、保護者の責任の一端を担ってくれているのだと、今更ながら感謝します。
スウェーデンのお産は、「無痛分娩」「翌日退院」「無料」くらいしか考えていませんでしたが、この国で生活すること、子育てすることの別の一面が見る機会になりました。
そして、日本は医療機関や学校などの社会の側が、かなり個人の責任の範囲までカバーしてくれていると思いました。
どちらが良い悪いというわけではありませんが、どういう社会で暮らしたいかを考えるときに、このお産の違いを比較するだけでもずいぶん参考になるかと思います。
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