ご近所に娘と同じ年の男の子を持つママ友がいます。
彼女はここまで親切で偏見のない人はいないんじゃないかと思うほど、スウェーデン語はもちろん英語も怪しい私に、ゴミの捨て方や就学前学校のことやスウェーデン社会のことを懇切丁寧に教えてくれます。
そして普段は娘と2人きりで過ごす私に、
「少しは休養が必要だよ」と、
子ども抜きで夜に食事に行こうと誘ってくれました。
その女子会というか金妻会で、子育て観について
「それ、わかる〜〜!!」
と深く共感し合ったことがあります。
それは
子どもに
「男の子だから〇〇しなさい」
「女の子だから△△はだめ」
というようなジェンダー教育をしないということ
商店街のガチャポン。
「男の子用」「女の子用」と分かれています。
中味を見ると……
「男の子用」はサッカーボールのキーホルダー、
「女の子用」にはビーズのブレスレットなど、
その仕分けには納得がいきました。
好みではないものが出るよりかは、
あらかじめ男女別にしておいた方が、
子どもたちの喜ぶ確立が上がるだろう、
という親切心なのでしょう。
でもこれって、
明らかに意図的に作られた男女の区別。
いわゆるジェンダーってやつ。
他にも子ども服が、男の子は青や緑が多く、
女の子は赤やピンクが多いのはジェンダーの代表的な例。
ママ友は息子とH&Mに行った時、彼がドレスを持ってきて、
「ママ、僕これが欲しい」
と言ってきたそうです。
確かに彼女もギョッとしたようですが、
断る理由に「女の子の服だから」は、
ふさわしくないと考え、彼の気持ちを尊重して買ってあげたそうです。
我が家の娘はもっぱらフリフリスカートやワンピースを着て、ピンク好きを公言しています。
けれども、それは「女の子だから」と選んだわけではなく、彼女が好きで選んでいるのです。
正直なところ私はボーダーチュニックとか着て欲しく、毎朝提案してみますがことごとく却下です。
私とそのママ友は共に、
子どもに対して性別を引き合いに出して話をしません。
それは人生の早い段階で、というよりかは、
人生において性別を意識して様々な選択をして欲しくないからです。
例えば、職業選択の場面。
「女医」だの「リケジョ」だのと言われるように、
日本では理系=男性、女性=文系が根強く残っています。
他にも士業に就く女性に対しては
「女性○○」と形容されるように、
専門性が高く、社会的地位の高い職業には男性が多いように感じます。
やはりそれは、社会に流れる
「女だからそんなに勉強しなくてもいい」
「女だからそんなに働かなくてもいい」
という空気のせいです。
そして、
幼い頃から「女の子だから」と
カテゴライズされて育ってきた本人も、
そんなものかと進学先から就職先まで選んでいくのです。
逆に男性は、
得意でもないのに「男だから」という理由で、
営業職をさせられたり、
スキルもないのに管理職にさせられたり。
苦しいのに「男だから耐えろ」と言われ続けて、
最終的に病んでしまうのです。
スウェーデンは周知の通り男女平等社会だと思います。
けれども、彼女の勤める会社の部長や役員クラスのマネージャーはやはり男性が目立つそうです。
そして彼女が意識して「男の子だから」と
言わないようにしているところを考えると、
先進的なスウェーデンにおいても
ジェンダーは至る所にあって、
それが様々な個人の選択の自由を奪っているのかと想像してしまいました。
私も彼女も公然のフェミニストではないし、
LGBTに対して意見は持ち合わせていないけれど、
我が子に対しては、性別による制限は与えたくないと考えています。
育った環境も受けた教育も全く違うのに、
ジェンダーに対しては、
国をまたいで共感できてしまうのは、
嬉しくもあり、悲しくもあります。
後半へ続く……
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