日本の教育改革① ~ 幼児教育を勝手に解説 ~ |
シェアの投稿でしたが、意外と反応がありました。これからの日本を担って行く子どもの教育について、関心が持たれているのでしょう。
News picksの記事では、幼児教育について触れられていませんでしたが、
幼児教育ももちろん改革の一つに組み込まれています。
今回は「幼児教育についての補足(勝手に解説)」をしたいと思います。
そして「この教育改革について私が思うこと」を次回のブログで書きたいと思います。
幼児教育も改革されるの?
はい。されます。
しかも2年前倒しで、2018年スタート(施行)です。
今はお知らせ(告示)の時期で、これから各幼稚園、保育所、認定こども園(以外、各幼児教育機関)がこの新しい教育要領をもとに、どういう理念で運営、カリキュラムを組もうか考える時期、といえます。
どんな風に変わるのか?
正直なところ特に変わらない。
ただ、育てたい資質・能力として「3つの柱」と年長最後の時期に育っていて欲しい「10の姿」が明示されました。
これまでの幼児教育が目指していた姿をよりわかりやすくしたのと、小学校以降のアクティブラーニングの前身として、幼児教育が位置づけられたと理解できます。
3つの柱って?
・知識・技能の基礎
・思考力・判断力・表現力等の基礎
・学びに向かう力・人間性等
小学校以降はアクティブラーニングに変わっていく、というのが、2020年の教育改革の目玉です。
そのアクティブラーニングをより身のあるものにするためには、子どもにこの3つの柱が必要だよ、といっているのです。
これについてはあとで「泥だんご」を例にあげます。
10の姿って?
※文中「幼稚園」とありますが、保育所や認定こども園も同じ内容で教育要領が改訂されます。
保育者はここに示された姿を目指して、日々保育にあたっていきます。
注意しないといけないのは、卒園時に3つの柱が出来上がって、この10の姿に到達してないとダメだ!とかそういうことではありません。
あくまでも目安であり、方向性です。
なので、保護者として「この姿に育ってないから我が子はダメだ」と考えたり、逆に「育ってないじゃないか」と幼児教育機関側を責める必要はありません。
保護者としてどう捉えるか?
まず私が日本にいたら、この改定のことを知らない保育者がいるような幼児教育機関には子どもを預けたくないですね。
知らないという理由が、日々の業務に忙殺されて専門性を上げるための時間がない、という現場の先生ならまだしも、管理職クラスが知らないという園には絶対入れたくないです。
なぜなら、自分たちの仕事の方向性もキャッチできない上司がいる職場で働くなんて嫌ですよね。
ましてやそこに大切な我が子の大事な大事な幼児期を預けるなんて考えられません。
今は文科省と大学の先生達が決めたことが知らされた(告示された)時期なので、細かい内容はまだ理解できてなくても、来年から変わるということは専門職であれば見聞きしているはずです。
自分の専門分野であれば、プロとしての自覚は持っていて欲しいと思います。
そして、我々保護者はその専門職としての保育者をリスペクトすべきです。
単に子どもを預かってくれる人というのではなく、子どもの教育者として接するべきです。
以前のブログ記事 → 幼稚園と保育所の先生の仕事は神業
保育者らもこれからこの教育要領を自分たちのモノにするために、各幼児教育機関で勉強を行うことでしょう。
(というか行って下さい!!!)
そのための時間を確保できるように、不要な無理難題は投げかけないで、保育者の貴重な時間を妨げないことも大切なのではないでしょうか。
例えば、「園だより」といった連絡事項はペーパーでないとダメ、手書きでないとダメ、とか保護者が強いているのであれば、これを機に見直すとか。
娘の就学前学校の連絡は保護者への一斉メールです。
もちろんプライバシーがあるので、Bccで送信されるので他の保護者にメールアドレスを知られることもありません。
親の方も紙をペラペラ渡されるよりずっと楽です。
ましてや、我が家のような移民家族はスウェーデン語がまだまだなので、そのままグーグル翻訳にコピペして読めたり、と何かと便利です。
また、年間の計画を立てる日といって、先生たちの会議のために学校がお休みだったり、研修などで早くに閉まることも普通にあります。
決して残業して夜遅くまで会議をするとか休日返上で研修するということはありません。
保護者として保育者の生活を尊重する姿勢もまた必要だと思います。
次に「遊び」が中心という幼児教育機関について。
「遊びも大事だけど、遊んでばかりで大丈夫?」という保護者の方もいらっしゃるようですが、幼児教育の世界では「遊び」こそ「学び」の宝庫と考えられています。
よく例にあげられるのが、泥だんご作り。
そもそも泥だんごは砂に水を混ぜてまるめて作るもの。
私たち大人は当たり前に思いますが、子どもにしてみたらこれも「知識」の一つ。
やったことのない子は知らないのです。
こういう大人からしたら当たり前のことを、子どもたちは「遊び」を通して知っていくのです。
最初は適当に作っていたが、そこからどんどん派生して、かたくて割れないだんごをつくることに熱中したり、大きさを求めたり、表面のなめらかさを求めたり、様々な工夫が生まれてきます。これは「思考」といえます。
そして子どもたちそれぞれが「こういうだんごにしたい」という欲求が生まれてきます。これは「意欲」です。
知識を使って、思考して、自分の意欲を発揮する。
これが2020年の教育改革で日本の教育が目指すアクティブラーニングです。
このプロセスを自然に行えるのが幼児期のいいところなのです。
先生が「今日はかたいだんごを作りましょう」といってやらせるのでは、受け身の人間を再生産するだけです。
国が考えているのは「遊び」を通してこの「3つの柱」をもとに「10の姿」を目指すということ。
国として、受け身人間から主体的な人間を育てようとしていることだといえます。
ですので、保護者は「遊び」に懐疑的にならずに、どんどん推奨すべきです。
とはいえ、かつて私は、子どもが小さいうちに様々な知識を覚えさせること(早期教育)が、「子どもが勉強(受験)に苦労しなくてすむ!」と思っていました。
いわいるお勉強系といわれるような幼児教育機関が必要だと考えていました。
でも、自分が毎日グーグル検索して、必要な情報を探している生活をしていて、これからの子どもにその知識を暗記させることって本当に必要なの?と考えを改めました。
それよりも自分の頭で考えて、判断して、行動できる方がずっとずっと大切です。(これについては次回)
日本は教育が一大産業なので、様々な教育法を目にする機会があると思います。
利益重視から本当に子どものことを考えて善意から、というところまで幅広いと思います。
幼児期の教育は親が選択することになります。
どんな選択をしても個人の自由だと思いますが、「みんなやっているから」「誰それがいいって言っているから」ではなく、
保護者として自分で吟味して選んでいかないと、ますます世界と日本、さらには日本国内でもできる子とできない子の差が生まれると思います。
それにはまず保護者が子どもにどんな大人になって欲しいかを、学校任せではなくて自分で常に常に考えていきたいと私は思います。
今回は2020年の教育改革のうち、幼児教育について解説しました。
これから各幼児教育機関から説明があることもあるでしょう。
そんな時はこの記事を思い出してもらえたら幸いです。
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