日本の教育改革② ~ 賛成?反対? ~ |
前回のブログ → 「日本の教育改革① ~ 幼児教育 勝手に解説 ~」
◆簡単に2020年の教育改革とは......
これまでの子どもが 受け身型の教育 → 主体的な教育 に変わります。
具体的には…
①大学入試が変わる
②そのため高校の授業がかわる(アクティブラーニングの導入)
③さらに中学校、小学校でもその準備が始まる
④小学5年生から英語が授業に格上げされる
⑤幼児教育機関もその前身として位置づけられる
◆一個人として
私も今、生まれたかったな〜、と。
私自身の人生を振り返ると、受け身体質が染み込んでいて、10代〜大学生までの期間がもったいない気持ちでいっぱいです。
高校を卒業したら大学に行くもの、大学を卒業したら就職するもの、そこに自分の希望っぽいものが叶えられればいいかな〜みたいな人生の選択をしてきました。
なので、「やりたいことを見つけて、今それがかなってます!」
みたいな人をうらやましく思っていました。
なんとかしようと20代後半からジタバタし始めて今に至るわけですが、
正直なところ、10代から色んな生き方・考え方を知っておくべきだった、と思います。
そんなこんなな人生で、子どもにはそんな思いをして欲しくない、というのが一番にあります。
そもそもスウェーデンに移住を決めた理由も、今の日本の教育・社会では、女性である娘は私のような人生を送る確率が高いという危機感があったからです。
仮に、我が家が個別に欧米流の教育をしたとしても、社会全体が旧来のままなら、社会に出た時に、今と同じようにしんどい思いをするでしょう。
今回の教育改革があることは数年前から知っていましたが、家族全員の最適解(まさに21世紀型!)を考えると「移住」だったので、我が家は移住しました。
なので、日本のこの教育改革に反対で移住したわけではありません。
むしろ、私はこの2020年の教育改革に大賛成です。
なぜなら…
1. 暗記力重視から思考力重視に変わるから
→ マニュアルがないと動けません、という人がいなくなる
2. 多様な意見の中から最善解・最適解を探る訓練ができるから
→ 答えありきの無駄な会議、無駄な取り組みがなくなる。1人1人が責任を持ち考えながら仕事ができる。
3. 大学入試で人生が決まることがなくなるから
→ 1人1人の価値観に基づいた人生を選べる。
自分が社会に出てみて理不尽に感じたこと、世間を賑わす「誰でもよかった殺人」などの多くは、1つの正解以外を認めない社会の空気が原因の1つだと考えます。
色んな人生、色んな考え方があっていいのに、1つの型にはめたがる傾向は、やはり20世紀型の教育の副産物といえるかもしれません。
というのも、News picks のスライドにあるように、20世紀型教育は、早く正確にコピーできる人を求めていたからです。
とはいえ、日本が敗戦後、高度経済成長をとげて、ここまで国が豊かになったのは、この20世紀型の教育のおかげであることは間違いありません。
そして豊かで世界から一目おかれる国となったおかげで、今の私たちがスウェーデンをはじめ外国に住んでも好意的に接してもらえるのは、
先人たちのおかげだと実感しています。
しかし、時代は大きく変わってしまったので、これまでの教育や考え方では立ちゆかない、というのがここ何年かの日本の課題といえます。
私たち現役世代はそこを良くも悪くも理解しないと、
自分は青春を受験勉強に費やしたんだ‼︎
会社では馬車馬のように働いているんだから、お前たち(下の世代)もそうしろ〜‼︎
という考えを持ち続けていると、自分が老害になること間違いなしです。
年をとった時に、下の世代から邪魔者扱いされたくないですよね⁉︎
だったら、過去の栄光は過去のものにして、今からでも自分がこの21世紀型教育を受けたかのように、変わっていくことが私たち現役世代に求められていると思います。
(まぁ、こんなの何年も前から書店のビジネスコーナーに行けば山ほど書籍化されているので、今さら私なんかが言うほどのことでもないですが…)
◆保護者として
とはいえ、子育て世帯としては、
偏差値重視じゃなくて、
いい大学・いい会社を目指すのではなくて、
女の子の親なら、いい会社に勤める男性に嫁ぐことを目標にしなくて、
どう子どもの幸せをはかるの?
と思うことでしょう。
でもそんなの、子どもの勝手でしょう‼︎
何が幸せかは、その時代、時代で変わっていくものだと思います。
だからといって、子どもに対する教育は放任でいいのか、といったらそうではなくて、
私は保護者が時代や世界の流れを読んで、これから子どもに必要な力は何かを考えて、
それを身につけさせるような場を提供することが保護者の役目だと考えています。
例① 英語
日本人は文法はわかるけど話せない
↓
それでは困る社会がある
↓
話せるようになるために、どうしたらいいか?
↓
英会話教室、留学、英語圏の留学生のホストファミリーになる、親が自ら英語圏の友達を作って話しているところを見せる
などなど…
↓
数ある解決策の中から家計や立地などの条件を考えて、それぞれの家庭の最適解を見つける
例② 議論
自分の意見が言えない、言わない
↓
社会問題について話しあう授業があって困る
↓
意見を述べるにはどうしたらいいか?
↓
普段から保護者が社会問題について間違っていてもいいから話をする光景を見せる
時々、子どもに意見を求めてみる
家族単位で交流をし、大人同士の会話を子どもに聞かせたり、参加させたりする
子どもが議論しているNHKのテレビ番組を見せる
などなど…
↓
色々と実践してみる

これからは、塾に通わせるのが保護者の務めではなくなるはずです。
というか、そういう社会を目指すべきではないでしょうか?
ボーナスが塾代、夏期講習代に消えていく…なんて寂しすぎませんか?
保護者にも主体性や思考力や判断力や知識が必要になってきます。
私は今回の教育改革は、単に子どもに向けたものではなくて、日本社会全体に20世紀的考え方から21世紀、さらにその先の見えない未来に向けての日本の思想改革だと考えています。
「日本の」と強調しましたが、ここスウェーデンの小学校以降の教育は、アクティブラーニングが主体です。
試験もマークシートの選択式ではなくて、記述式がほとんどだと聞きます。
いつから始まったのかは、調べてないのでわかりませんが、少なくとも同世代のスウェーデン人の友人はすでにその教育を受けてきているので、20年は先をいっているのです。
日本の中でこの教育改革には大大大賛成ですが、一歩外に出れば世界には色んな国があるのです。
そのことは保護者として知っておくべきです。
将来子どもが留学したいというかもしれないし、子どもに世界で活躍して欲しいと思うなら、日本のモノサシだけで考えるのでは足りないと思います。
そんな時に、例えばアメリカやドイツや中国のエリート教育がどうなっているか調べて、日本の公教育では足りないことを保護者が考えて、今の子どもの年齢と大学入学の年を逆算してできることをやってみる、とか。
常に世界の中の日本を意識する視点もほとして必要だと思います。
◆最後に......
新しいことは、最初はうまく機能しないことは目に見えてます。
でもそこですぐに結果を求めず、2020年に小学校に入学した子どもがどう成長するかは、しっかりと検証すべきだと思います。
「2020年小学校入学の子ども」とは、まさに2013年生まれの娘です。
スウェーデンで育った子と新しい教育で育った日本の子どもがどうなっているか、今からワクワクしてしまいます。
(それを見届けるまでは絶対に死ねない)
日本のメディアや世論はすぐに批判ばかりになりますが、この改革の方向性は絶対に間違っていないと思うので、どうかどうかやめないで、と願っています。

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